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黒井は答える。
「と、いいますと?」
「実のところ、不安だったんだ。
俺は自分が責任者に適任だとは思わない。
確かに名誉な事だと思うが俺はそんな器を持ち合わせてない」
ライは顔を下げながら言った。
ライは昨日からずっと思っていた。
父はああ言ったが自分が父を越しているとは思えない。例え、超していたとしてもだ、自分より強い者はいるだろう、とそして何よりライは不安だった。
自分がMPS責任者になったとしよう、そうしたら多くの人が俺に期待するだろう、だが俺は期待にちゃんと応えられるのか?と。
先ほど弱音は吐かないと決めたがやはり14歳には無理だったようだ。
「だが、黒井。お前の笑顔で少し安心したよ」
ライは疲れた笑顔を見せる。
「そう……ですか」
黒井は思った。
何故このような子がこんな悩みを持たないといけないのだ、と、黒井はこの子を守ろうと心の中で誓った。
「なぁ、MPSの構成を説明してくれないか?それと俺がこれから何をしないといけないのかを……」
黒井が淹れた紅茶を飲み、元気を取り戻したライはそう聞いた。
「わかりました。では説明します。まずMPSの事からにしましょう。
MPSは10の隊をつくる予定です。
数が少ない隊程、強いようになっていき、犯罪レベルによってそのレベルに見合った隊を出動させます。
そしてその隊を纏める司令塔が青葉様。あなたということになります。青葉様も出動する事もあります。
いずれ魔法学校から強い者をよび人数を増やしていく予定です。
そしてMPS第一支部、第二支部など増やしていくのです」
黒井は話を止めたかと思うと紅茶を指差し冷めますよ?と微笑む。
「そういえばまだ隊に所属させる奴決まってないんだろう?」
ライは紅茶を一気に飲み干すと言った。
「それなんですよ。それが青葉様の次の仕事と関係してくるんです。
実は二番隊から十番隊までは決まっているんですが…一番隊隊長が決まってないんです」
黒井は困ったように話す。
ライは口を開く。
「それが俺の仕事とどう関係あるんだ?」
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