4565人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここがギルドか…。
黒井…俺、依頼、受けてみたい」
ライの声がいつもよりワントーン高い。
ライは今、猛烈に感動していた。
昔から一度ギルドで依頼をこなしてみたいと思っていたのだ。
ギルドとは様々な依頼が受けれる施設である。
世界各国に設置されてあり総数1万。
「駄々をこねないで下さい。私達がギルドにきたのは一番隊隊長を捜すためであり決して依頼を受けるために来たのではありません」
黒井は困った顔でそう言った。
意外に子供っぽい所もあるんですね、などと考える黒井であった。
「……はぁ…わかった
さっさと捜そう…」
ライは先程の感動などなかったように気落ちした。
黒井はライの気落ちを気にしない事にしてギルドを仕切るマスターに話しかけた。
ライはこの気持ちをなんとかしようと思い、ギルドの食事場まで足を運んだ。
「…紅茶一つ…」
カウンターにいるおばちゃんに頼む。
あいよ!と大きな声が聞こえたライはカウンター席に腰を下ろす。
「隣いいかしら?」
ライがため息を連打していると女性が話しかけてきた。
年の頃は17、18といった感じだろうか。
黒くサラサラな長髪が似合う整った顔立ちの女性だ。
ライは伏せていた顔を上げ女性を見た。
「別に構わない…」
はぁ、と溜め息を一つ。
女性はありがと、とお礼を言うとライの隣に座った。
最初のコメントを投稿しよう!