プロローグ

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あるところに少年がいた。 「…母さん父さんおはよう」 彼の名は青葉 雷(あおばらい)。今年14歳になったばかりの少年だ。 その青色の髪と整った顔は美少年と呼べる。 それ以外は特筆する事がないそこらへんにいる少年だ、と言いたいところなのだが、この少年は頭がよく、武術もかなりの腕、それと同様に魔法も……。 そしてこの少年には膨大な魔力があった。 朝の挨拶を終えた少年は二つの内、一つの椅子に座る。 「おはようライ」 と、微笑む女性は少年の母だ。真っ黒の髪を後ろで一つに縛っている。小柄で小さく可愛いという言葉が似合う母である。 「ライ、今日の稽古はなしだ」 腕を組む世間で渋いと言われるような顔つきの男性は少年の父だ。少年の髪の色は父譲りなのか父の髪も青色である。 「おはよー」 新たにリビングに入ってきた女の子。 この子は少年の妹である。まだ10歳と、小さく椅子に座るのにも苦労している様子だ。少年の妹は母譲りで真っ黒の髪である。 少年の家庭は中流。父、母、少年、妹の四人住まいだ。 皆は挨拶を交わす。 妹も椅子に座るとテーブルに四人分の朝食が置かれた。 一旦、会話を止め皆、朝食を食べ始める。 朝食も中盤に入った頃、少年が口を開いた。 「そうだ、稽古なしってどういうことだ?父さん」 先程、父が何気なく言った一言についてだ。 「MPSを知っているか?ライ」 MPSとは最近、犯罪をなくすために政府が作った組織。 対・魔法犯罪組織だ。
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