4565人が本棚に入れています
本棚に追加
そう答えた少年は罪悪感がわいてきたのがわかった。
何故なら身内の妹を騙したからだ。まだ何も分からないのをいいことに騙したんだ。
少年は心の中で妹に何度も謝った。
「青葉様、時間です。お乗りください」
黒スーツが腕時計を見ると車の後部席のドアを開け、ライを中へ促す。
少年はいい子にしてろよと妹の頭を撫でながら言葉をかけ、瞳に溜まった涙を拭うとその場から離れた。
少年はそのまま一度も振り返ることなく黒い車に乗り込んだ。
母がなにかを伝えようとするも虚しくも車は発進した。
最初のコメントを投稿しよう!