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そんななんでもない会話をしていたとき、教室のドアががらりと開いた。
誰だろうとドアのほうを見ると、隣のクラスの白鳥真由子だった。
「なんの用だろうな?」
唐揚げを箸で突っつきながら、淳が言った。
「友達にでも用事があるんじゃないか?」
「そうかもな」
ご飯を一口食べて、ふと白鳥のほうを見た。
白鳥は、きょろきょろと当たりを見回していた。誰に用事か聞きにいこうかなあなんて思っていると、視線がばちっとあってしまった。俺は、慌てて視線をそらすと、何ごともなかったかのように、弁当を食べることにした。
「視線あってたな、もしかして彼女はお前に用事があるのかもな」
淳がにやにやと面白そうに笑いながら言った。
「小林君」
白鳥の声だ。ふと、振り返ると俺の後ろには白鳥が立っていた。
「何?」
「あのね、この手紙読んで」
白鳥は恥ずかしそうに、制服の胸ポケットから手紙を出した。
宛名は、小林圭吾様となっている。俺に書かれたものらしい。そのまま読もうと思ったら、白鳥が小さく「嫌っ」と言ったのでやめた。
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