大きなどんぐりの木の下での巻

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社会の授業中に、こっそりと胸ポケットから、手紙を取り出し読む。 そこには、上品で綺麗な文字で、こう書かれていた。 『小林君のことが好きです。いつからなのかって言うと、春の体育祭のときからです。小林君がバレーボールをやっているときにトスを外した姿に一目惚れしました。もし、小林君がよかったら私と付き合ってください。OKだったら放課後、校庭にある大きなどんぐりの木の下に来てください。待ってます』 白鳥がうんうんと悩みながら、ゆっくり丁寧に書いた様子が目に浮かんだ。 先生に見つかったら困るので、そっと胸ポケットに手紙をしまった。 授業に集中しようと思ったけれど、あんな手紙を読んだ後じゃ無理だ。 授業の内容より、手紙の内容のほうが頭の中をぐるぐると回る。ということで、授業は放棄して手紙の内容について考えることにした。
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