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「出来上がり次第テーブルに運ばれるから先に席着いてて」
と響に言われたので空いている席を探す。ざわつくレストランの席はほぼ満席状態で空いている席は見当たらない。
「あ!!」
一つだけ空いているテーブルを発見し、そこ目掛けて一直線。
よし!!席確保!!!!………とは行かなかった。
ドンッ!!
「うわぁ…!?」
思いっきり人にぶつかった。しかもその拍子で尻餅をついた。
「痛っ~~~」
鼻が制服のボタンに当たって涙が出てきた。
「ごめん…」
鼻を押さえて顔を上げると、凄く綺麗な顔をした人が立っていた。顔が影になってて見えないけど……怒ってるよな?しかも偉そうなとこからして先輩かも………。
「あの、マジすいませ「きゃぁぁ~~~!!」
「信じらんない!!」
「九条様にぶつかったよアイツ!!!!!」
再び謝ろうとした俺の言葉を遮ったのは女の甲高い声…ではなくて男の甲高い声。
しかも九条様ってなんだ…?
「一人で立てるか?」
と差し出された男の手。白くて細い指先。握って立ち上がるとまたしても悲鳴。
「あの……」
…これはなんですか。
と訊こうとした俺にシルバーのフォークが飛んで来た。
うっかり…ではなく、確実に狙って投げられたフォーク。
「うわっ?!」
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