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「俺を捨てないで恵~~~~!!」
「……悪いな恵。勝手に入った」
俺は恵から引き剥がされた。浮気とか嘆いてる美形な人に。
その後ろを追って入ってきた人も美形でスポーティーな感じだった。
もしかしなくても先輩だなー…
と見てると、顔を真っ赤にした恵に叩かれる。
「見てないで助けてよ太陽………(苦笑)
えっと、こっちは咲乃茂[サクノシゲル]先輩で、生徒会の会計をやってるんだ。で、そっちの人は本堂海斗[ホンドウ カイト]先輩。同じ生徒会で書記をやってるんだ」
生徒会…
その単語を訊いて、つい反応してしまう。入学式に一度会ったっきり、一度も会っていない…
…基織潤…
熱が冷めないのは何故だろう…とか、どんな人だろう、話したい…は考えるけど現実では一度も行動に移していない。
「こっちは高梨太陽。同室の同じクラスで転入生なんです」
「よろしくお願いします」
にこやかに俺を紹介する恵。俺も二人に挨拶をする。
「………」
……………?
そんな俺をじーーっと見てくるのは浮気と喚いていた…茂先輩。
なんだろ…顔になんかついてるか…?と考えて、話し掛けようとしたら
「合格!!」
と笑顔で手を握られた。
何が合格なんだ…
そんな心の内に秘めた質問に、後ろの…海斗先輩が答えてくれた。
「いきなり悪かった、転入生…いや高梨。実は茂は無駄に独占欲が強くてな」
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