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それでも毎日通い続けた、
もう無理だと諦めていたその日、
ずっと開かなかった門が開いた。
俺は引き込まれるように入って行った。
中にはあの時俺に怒鳴った男の人がいた。
その男の人にリビングへと通され、椅子に座らされた。
「君が、悪くないのは我々としても承知している、だが割り切れないのもある、分かるね?」
そう告げる男の人の言葉にはかなりの重みを持っていた。
そして話を続ける。
「だから許すわけにはいかない、とわいえ君は毎日訪ねてきた、だから私はもう気にしてはいない。問題は娘だ、ショックで部屋から出ようとしない。君は娘の為に何でもできるか?」
「はい、できます!」
俺は幼いながらにも罪悪感が心に満ちているのが分かった。何でもできると、俺は言わなければ俺として生きていけない気がした。
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