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「ごめんな、麗。」
ふと漏れた裕太の寝言に、麗は思うことがあった。
「ゆぅ、やっぱり…………あの時の子なんだね、
だから、ゆぅ……嫌いだよ……でも、それ以上に……大好きだよ。」
嫌いなのに……嫌いになれない、
離れたくても……離れられない、
日が経つ度に………逆にどんどん好きになっていく、どうして………嫌いになれないの?
目から漏れる雫は膝に寝る裕太の顔に静かに滴り落ちる。
「ん、うぅ…………おい麗、泣いているのか?」
何故か知らないが、俺が起きたら麗は泣いていた、あの時俺は、悲しませないと誓ったのに。
「ごめんな麗、でも泣かないでくれよ、俺は、笑う麗が好きなんだよ。」
何で涙が出てくるんだよ、
ダメじゃないかよ、泣くなって言った本人が泣いたら意味無いじゃないかよ。
頼むよ笑ってくれよ、麗。
じゃないと俺も笑えないじゃないか。
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