4721人が本棚に入れています
本棚に追加
それから30分後、怜香はまだ俺の頬で遊んでいた。
そのうち腫れるんじゃね?
「進? 入るよ」
なんて呼ばれても俺の意識はこの世になかった。
楽園という名の怜香のひざ枕にいた。
あれ、怜香のひざ枕という名の楽園?
どっちでもいいか。
「ほぉ、寝ちゃってる。可愛い寝顔」
「私もそれ思いました」
「しかも幸せそうな顔で」
そして俺は目を覚ます。
というより起こされた。
目を開けると視界には手だけ、頬は突かれている感触。
よく見れば三人で俺の頬を突いていた。
「何やってんの?」
「見ればわかるでしょ。あんたの頬突いてんの」
そりゃ見ればわかる。
俺の聞き方が悪かったのかもしれないけど、本当に聞きたいことは別にあるっての。
「進も起きたし、私は帰るよ。
それじゃ綾乃さん、また今度」
「うん。気をつけて帰ってね」
麻美は一礼すると俺の部屋を出た。
また今度ってことはいつか会うのだろう。
もしかしてモデル関係で?
まさかね。
最初のコメントを投稿しよう!