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怜香の住むアパートの壁は綺麗に塗装されていて、新しめな感じだった。
「202号室が私の部屋です」
怜香に招かれて着いた部屋には、表札には何も書かれてなかった。
怜香がドアに手を掛けると、いきなり緊張感が。
さっきまで感じなかったし怜香の家に行こうと言った時も感じなかった。
いざ入ろうとなるとね。
ドアが開き、中は想像以上に綺麗だった。
大人っぽさを引き出すような白のカーペットに白のソファ、一人では少し大きいくらいのテーブル。
テレビはなくちょっと寂しい感じはしたけどこれはこれでなんか良い。
「どこか変ですか?」
「いや、良いよ。落ち着いた感じが怜香にピッタリだ」
「あ、ありがとうございます」
怜香は褒められることに弱いのかもしれない。
こういうちょっとしたことでも照れている。
褒めちぎった時の反応が楽しみだな。
さて、一つ気になることがある。
あの閉ざされた部屋。
大体予想はついてるし自信もある。
だからこそ気になるのだ。
「あの部屋……気になりますか?」
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