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「痛っ。ちょっ、何?」
「進さんが変なことを言うからです」
まぁ変だとは思ってたさ。
でもあの状況では仕方ないだろ。
「ごめんごめん。それよりさ、明日から俺が迎えに行くから。怜香は先に来たらだめだからな?」
「でも、進さんに悪いです」
怜香はやっぱり優しい。
自分のことより俺のことから考える。
そう考えれるってのはいいことで、俺には多分真似できない。
しかしな、彼氏としては譲れない。
「大丈夫だから。それに、怜香の家は学校側だから俺が行く方が近いし」
「わかりました。お願いします」
怜香が承諾したところで学校に着いた。
こうして人前で手を握るとは、かなり恥ずかしい。
もちろん俺達は注目の的。
それでも怜香は気にしてない様子だった。
褒められることには弱いくせに、こういったことには強いんだな。
子供っぽい部分と大人っぽい部分、こんなにもはっきり分かれているって面白いな。
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