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それからスムーズに時間は流れ、あっという間に放課後になった。
でも改めて怜香の凄さを思い知ったよ。
授業中に話すことなんて全くなかった。
ノートに向かってカリカリ勉強しててさ、俺は眼中にないって感じ。
少し寂しい気もしたけど、まぁいっか、ってことで俺は寝た。
「進さん、帰りましょう?」
「あぁ。ちょっと待って」
俺は今日出た課題を鞄の中に入れていた。
周りの人達は部活だったり下校だったりですでにいなかった。
俺達は何してたかって?
簡単に言えばいちゃいちゃしてた。
授業の時とは違って甘えてくる怜香は、そりゃもう可愛くて堪りません。
お持ち帰りします、って心の中で叫んでた。
そんな自分が嫌いになる今日この頃。
俺がそんなアホみたいなことを考えていると、教室のドアが開いた。
俺も怜香もそっちの方を見ると、そこには小川さんが立っていた。
「やっぱりここにいた。榊原さんちょっといい?」
麻美ならまだしも小川さんが来るなんて……まぁあるか。
怜香は俺の方を申し訳なさそうに見つめる。
きっと、これから帰ろうとしたのに呼ばれてしまったから待ってもらうことになります、なんて思ってんだろうな。
可愛いぞ?
後でいっぱい愛でてやる。
良い意味で。
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