4721人が本棚に入れています
本棚に追加
「へぇ、いいなぁ。そうだ、あなたの名前は?」
「俺は一年の桜庭進」
「私は桜花高校二年生で高木愛。こっちは同じクラスの山本里奈」
高木さんに山本さん。
山本さんはちょっとおとなしめなんだ。
悪く言えば無口だけど。
二人と話しているうちに30分経っていた。
話の内容の99%は俺と怜香について。
質問責めだったってのもあるけど、話し出すとつい止まらなくて。
残りの1%は二人の恋愛について。
その会話は5秒も経たずに終わったけどな。
そんな感じで話していると怜香がようやく出てきた。
その顔はあまり良いとは言えなかった。
「進さん、お待たせしました」
怜香さん顔が、特に眉辺りがひくついている。
正直怖いです。
「あ、うん」
「もしかして進くんの彼女の榊原怜香さん? 綺麗な顔立ちだね」
日頃褒められると弱い怜香が、今回は怯まなかった。
「ありがとうございます。もう帰るんで失礼します」
怜香は俺の腕を引いて無理矢理俺と歩きだした。
やっぱり怒ってるか……。
最初のコメントを投稿しよう!