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二人が見えなくなり、一回角を曲がった所で怜香は止まった。
俺は謝るしかないと思って怜香の前に立った。
「怜香ごめん」
「謝るってことは、浮気だったんですか?」
「いや違うよ。言い訳みたいに聞こえるけど向こうから話してきたんだ。
浮気なんて絶対にしない。これだけは信じてほしい」
浮気なんかしてたまるか。
俺は怜香しか見てないしこれからもそうだ。
未来のことなんかわからないけどそんな気がする。
「進さんはカッコイイですからモテると思います。女の人と話すのはいいんですけど、私の目の前で楽しそうにしてほしくないです」
俺の何気ない行動が怜香を傷付けてしまった。
もちろん反省も後悔もしている。
でもあれはもう過ぎたことだから忘れよう。
細心の注意を払って、怜香を傷付けないようにしないと。
「ごめんな怜香。これからは気をつけるから顔上げて?」
「……はい。わがままですいません……」
「わがままじゃないよ。俺がいけなかったんだし、謝るのは俺の方だ。
でも、そろそろ顔上げないと無理矢理でも上げさせるからな」
こんな時こそ明るくな。
ようやく怜香は顔を上げたので、俺は頭を撫でた。
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