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「怜香にはそんな顔似合わないよ。ほら、こうして笑って」
俺は夏休みでのディズニーランドに行った時の別れ際みたいに怜香の顔をいじった。
今回も少しだけ。
「わかりました。いつまでも落ち込んでいられませんね」
「やっぱり笑った怜香の顔が一番可愛いよ。あ、どっちかと言うと綺麗だな。……帰ろう?」
俺の差し出した手に怜香は下を向いて握った。
恥ずかしくて下を向くのは可愛いから許す。
「進さん、さっきの言葉は本当ですか?」
「さっきの言葉って?」
「浮気だけは絶対しないって」
「本当だ。神様仏様、なんだって誓うよ」
それを聞いて安心したのか怜香はさっきよりももっと体を付けてきた。
歩きにくいなんてことは怜香の顔を見ると忘れてしまう。
幸せそうな満面の笑みを浮かべた顔。
ついこっちまで嬉しくなってきた。
怜香の家に着くと、名残惜しかったけどここで別れた。
時間が結構遅かったのであまり話さなかった。
まぁ明日からも毎日登下校一緒だし、少しくらい我慢しよう。
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