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今日は朝10時に怜香が俺の家に来る。
家が近いので待ち合わせをする必要がなくなったから。
俺は9時半くらいには準備が出来ていた。
久しぶりのデートだと思うと張り切って早めに終わってしまった。
「暇だー」
さっきからこれの連発。
姉さんも母さんもいないから俺の声だけが響く。
怜香、時間早めに来てくんないかなぁ。
こういう時は時間ピッタリで来そうだからな。
そして30分間、何もすることなく過ぎた。
チャイムが鳴りダッシュで玄関に向かう。
時計を見ると10時ピッタリだった。
「進さん、おはようございます」
「怜香ー、会いたかったよぉ……」
俺がいきなり抱き着くと怜香は驚いた。
当然といえば当然だな。
「ご、ごめん。早く行こう」
家に鍵を掛けて歩きだした。
向かう先はとりあえずアーケード街。
店がないと始まらないからな。
「さっきはどうしたんですか? 急に抱き着いてきて」
「30分間何もせずに待ってたから、なんか虚しくなって。驚かせたな」
「いいですよ。可愛かったですから」
恥ずかしかったけど、怜香を抱きしめたあの感触の方が印象が強い。
良い香りもしたしな。
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