4721人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の誕生日から一ヶ月が経ち、季節は十月に入った。
最高のプレゼントを手にした俺は、誕生日の次の日をにやけの過去進行形で過ごした。
怜香も俺ほどではないにしろそれに似たようなものだった。
それから毎日飽きることなく怜香と過ごし、学校が楽しく思えている。
そんなある日の朝、いつの間にか俺の前の席に座った勝が口を開いた。
「俺ってどうして彼女ができないんだ?」
そう言う勝の顔はいつになく真剣だった。
勝は先週、他校の人に告白してフラれたらしい。
どっちかと言えばカッコイイ側に入る勝がフラれるってことは、告白のしかたが悪いか、雰囲気が変なのか……。
「とりあえず、人間になったら?」
「俺……人間じゃないのか?」
「高い確率で」
だってこいつ変態で、それでいて変態の存在を肯定するんだからな。
この前も、
『変態で何が悪いんだ? 男ならみんな変態だろ』
そんなの当たり前じゃん、的な感じで話してた俺を冷めた目で見てた。
希望?
そんなものこいつの前では皆無に等しいけど、今回は本気で悩んでいるみたいだから何とかしてやろうか。
恥ずかしながら、こいつに助けられたりしたこともあったからな。
最初のコメントを投稿しよう!