学校

3/11
前へ
/108ページ
次へ
でも、俺は「そう」としか言わなかった。劉夜と離れたくないから。劉夜が他の誰かのモノになるのが嫌だった。只、そんだけ。 暫く劉夜は女の子と遊ばなくなったが、また遊びだした。いや、遊びじゃなくて本気かも。同じ女の子と会ってるみたいだから。 ──もう、別れようかな。 所詮、世間に認められない同姓愛。劉夜だって女の子がいいんだ。 「…うき!ゆうき!」 「あっ……なに?ごめんボーとしてた」 別れようかなとか色々考えてたら、竜貴の話聴いてなかった。 「しっかりしろよ。唯一の頭が可笑しくなるな」 「むっ。失礼だなっ。確かに身長は他の人より低いけどさ」 俺は175cm。高3にしては低かった。それでも、テストは学年上位。それが唯一の自慢。 ムクれる俺の頭を、竜貴が笑いながらクシャクシャにする。そんな他愛もない生活が、俺にとって一番安らげることだ。 .
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2722人が本棚に入れています
本棚に追加