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でも、俺は「そう」としか言わなかった。劉夜と離れたくないから。劉夜が他の誰かのモノになるのが嫌だった。只、そんだけ。
暫く劉夜は女の子と遊ばなくなったが、また遊びだした。いや、遊びじゃなくて本気かも。同じ女の子と会ってるみたいだから。
──もう、別れようかな。
所詮、世間に認められない同姓愛。劉夜だって女の子がいいんだ。
「…うき!ゆうき!」
「あっ……なに?ごめんボーとしてた」
別れようかなとか色々考えてたら、竜貴の話聴いてなかった。
「しっかりしろよ。唯一の頭が可笑しくなるな」
「むっ。失礼だなっ。確かに身長は他の人より低いけどさ」
俺は175cm。高3にしては低かった。それでも、テストは学年上位。それが唯一の自慢。
ムクれる俺の頭を、竜貴が笑いながらクシャクシャにする。そんな他愛もない生活が、俺にとって一番安らげることだ。
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