心を残した場所

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遊ぶ 遊ぶって、何をするもの? 言葉は知っているが、具体的に何をするものか僕は知らない 「六花、この子知り合い?」 彼女はシュウ君をまじまじ見つめ僕に聞いてくる 「あ、はい お風呂で色々と教えてくれたんです…」 「おばちゃん誰? おっぱい大きいね!」 子供は風の子 違った 『子供は恐いもの知らず』という言葉を思い出す 「お、おば…ちゃん? シュウ君はウサギさん好きかなぁー?」 彼女の懐からウサギさんスリッパが顔を出す 「待って下さい!シュウ君はまだ小さくて…その、素直というか正直というか…」 彼女とシュウ君の間に入り、彼女をなだめようと言葉を並べる僕 「素直?正直? …六花も私を『おばちゃん』だと思っていたのね」 黒いウサギが僕の方向へと向きを変えた 『素直な六花が好き』 あの台詞も時と場合らしい いや、僕は彼女の事をそんな風に見たことなんて… 「でもおばちゃん、凄い可愛いね!お兄ちゃんの恋人?」 時が、止まった そして、彼女の表情が 輝いた 「そう!彼女なの!分かる?やっぱり分かっちゃう?」 ウサギさんは何処か彼方へと消え去り、彼女はキャッキャと騒いでいる
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