触れる世界

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「わぁ!可愛い!妹さんですか?」 服を合わせるためにジャケットを脱いだワンピース姿の僕 知ってるさ… 『妹』って女だろう? 店員の勘違いに少し救われた気がした 変態と思われるよりはマシさ そう自分を納得させていると… 「いえ、彼氏です」 ダウンジャケットを小脇に挟み真顔の彼女 ―――え? 「―――はい?」 店員と僕の思考が一瞬止まった 「…で、でもワンピース…」 「彼氏の趣味です」 ―――こら 先程の『守る』という言葉は何処へいった 「……はぁ、そうですか… よ、良くお似合いですね」 100%の苦笑いで、フォローと呼べない言葉で誤魔化す店員 「えへへ、でしょ?」 ニッコリと微笑み照れる彼女 変態決定だよ 「この子140くらいだから幾つか見せて頂戴」 とても『彼氏』を扱う台詞じゃないが……まぁいいや 便宜上のものだろうし 明らかに小さいサイズしかない店内を見て、さすがの僕もここが子供の服を扱う所だというのはわかる 弟と妹 どっち僕は変身させられるのだろう
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