触れる世界

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―――――――― 「ん!いい!これに決めた!」 時間にしておよそ2時間といったところか 50着を超える服を着せられ、たどり着いた彼女のコンセプトは多分… 『ボーイッシュな妹』 赤いパーカーにオーバーオール ディープグリーンのキャップに黒のブーツ 「きましたねコレ」 僕を凝視する店員 「でしょ? じゃあさっきの第5候補まで買うから明日着で送って頂戴 あ、これは着ていくから」 最初は変態を見るような目で僕を見ていた店員も、いつしか彼女と一緒になって興奮しながら着せかえを楽しんでいた ワンピースよりは良くなったがその代償は大きく、僕は疲弊しきっていた 「うぅ……帰りたい…」 足元がふらつく 「あら、疲れちゃったね… よし、何か食べよう!」 僕の様子に気付いたのか、食べ物で気を引こうとする 「お供します」 ああ、効果抜群だよ 昨日から考えていたんだ この展開になった時の願望を ふらついた足に羽根が生えた
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