視る者

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「えーと、この子は 今井 雫(イマイ シズク) 私の従妹……って言っても六花にはわからないか まぁ、妹みたいなものよ 歳は14になったばかりよね?」 彼女の問いに頷く雫と呼ばれた少女は、身長なら僕と同じくらい 短めの黒髪で、前髪を横一直線に切り揃えている 青みを帯びた瞳は鋭く僕を見据え、心を覗かれているみたいで鳥肌が立つ 「私の紹介が済んだところで聞かせてもらえるかしら 桜、この子誰なの?」 雫の視線は部屋に入った時から僕に向けられたままだ 「私はあなたが来た理由が聞きたいんだけどね… この子は六花 最近付き合ってる私の彼氏よ」 だからその設定には無理が… 案の定、雫は疑わしい眼差しを向ける 「彼氏?桜はいつからショタに目覚めたのよ それに私は関係を聞いてるんじゃない この子は『誰』って言ったのよ」 雫の言葉が胸に刺さる ―僕は………誰? 「誰って、六花は六花よ!私の大切な人なの 雫にあれこれ詮索される憶えは無いの!」 息を荒立て食ってかかる彼女 「大切な人? 人かどうかも怪しいもんだわ 白い髪に白すぎる肌 あなた一体何者?本当に…」
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