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「……あ、桜さん
あれ?僕は…………」
いつものテーブルの下ではなく、ベッドでの目覚めに違和感を憶える
「………六花、良かった……
急に倒れたりして……
次に心配させたらゲンコツだからね…」
目を赤く腫らした彼女の顔が間近に見える
優しくゆっくりと、僕の髪を撫でる
「はい、ごめんなさい…」
自分に非は無いのだけど、彼女を泣かせてしまった事の罪悪感で謝ってしまった
「ん、よろしい
あと、雫の事……ごめんね?
生意気だけど素直でいい子なの
素直すぎて誤解も受けやすいんだけどね…」
そう言って彼女は困ったような顔をする
「雫の家は神社でね、彼女はそこの巫女なの
生まれつき特殊な霊媒体質らしくて、小さい頃から巫女になるための厳しい訓練を受けてきたから
厳しいのよ
自分にも、他人にも」
勝気な性格は環境によるものなのか
何だか納得してしまった
「六花は私のなんだから
何処にも行かないでね?」
すがるような彼女の眼差し
何でこんな事を彼女が言うのか
僕にはよく解らなかった
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