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僕はどうやら半日以上寝込んでいたらしい
陽は既に落ち、リビングには夕方の番組をソファーで見ている雫の姿
来たときは黒のジャケットにスカートという格好だったが、今は部屋着なのかグレーのトレーナーとジーパンに着替えていた
「あら六花くん
もう起きて大丈夫なの?
何だか倒れたみたいだけど」
皮肉満載の雫に苦笑いを浮かべていると
「夕飯は六花が作るんだから、機嫌損ねると飯抜きになるわよ」
僕の後ろから彼女が口撃する
「なっ!?……桜
女として恥ずかしくないの?」
「やかましい」
雫の反撃に突っ込む彼女
「まぁ、桜の料理の腕前じゃ、猿に作らせてももう少しマシなもん作れそうだものね」
どうやら雫もあの料理の被害者のようだ
「言ってくれるわね…
六花、雫はニンジン嫌いだからよろしくね?」
「ではニンジン尽くしで」
僕と彼女のコンビネーションに雫の顔色が変わる
「あ、謝るわ!
だ、だからニンジンだけは…」
やっと14歳らしい反応を見せた雫は、ほんの少しだけ近くに感じた
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