不安定

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――――――――― 「六花くーん、お茶」 「はい」 ………………… 「六花くーん、新聞」 「…はい」 ………………… 「六花くーん、リモコン」 「……はい」 ………………… 「六花くーん、接吻」 「………はい?」 昨日の騒動の後 僕の事を気遣ってくれるようになった雫だが、彼女が大学へ行った途端にこの態度だ 「あの…『せっぷん』って?」 初めて聞く言葉に思わず聞き返す 「え?本当に知らないの? ふーん…………知りたい?」 雫の瞳が妖しく光る 「ええ、まぁ…… 色々知れば何か思いだせるかもしれないし」 そして僕がここにいれる為にも 知らなければならない事が沢山あるから… 「そうね…… じゃあ、こっちに来て」 ソファーに座る雫が手招きする ――? 「…はい」 何で近付く必要があるのか解らないけど、とりあえず言われた通りに雫の前に立つ 「うん、そのまま目を瞑って」 ―?? 「え……『せっぷん』の話しは…」 「その為に必要な事なの ―――早く瞑る!」 「は、はい!」 語気を強める雫に体が反応する そして言われた通りにきつく目を閉じた
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