不安定

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力での抵抗は諦め、彼女が残した言葉に賭けた 効果があったのか雫の動きが止まる 「襲うな……ってヤツ? これは『勉強』、問題無し」 再度進行 鼻と鼻、そして互いの息が触れ合う 「…キスは『感謝のしるし』だって桜さんが…」 もう思考がその活動を止めようとしている 「じゃあ今日は…違う意味も教えてあげるから…」 ―何だろう? 違う意味って 拒む事を止めた僕は、雫の言葉を受け入れる 雫の唇が少し開き、そのまま… スパーン!!! 「痛ぁぁぁ!!」 軽快な炸裂音と雫の悲鳴が響きわたる 「雫?あれほど言ったのにどういうつもり?」 ウサギさんスリッパを片手に僕の後ろに立つ彼女 …いつの間に 「だって!この子、私のS心をくすぐるんだもの!」 エスって何? 「餓えてるのはどっちよ! まったく油断も隙も…」 「あの…桜さん、大学は?」 スパーン!! 「みぎゃ!」 「フェイクよ! 何よ六花までその気になっちゃって! もう知らない! 勝手にしたらいいわよ!」 ドタドタドタドタ…バタン!! 顔を真っ赤にした彼女は、足音も荒く部屋に消えて行った
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