僕と彼女と日常と

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アパートの2階 小さいベランダが僕のお気に入りで、降り積もる雪をただ眺めていた 初めて見た色 怖かったけど、こうして見るとなんだか落ち着く 何でだろう 「六花!また戸を開けっぱなしにして寒いでしょ!」 ドアが開くと同時に大声で入って来たのは、このアパートの家主であり、僕を拾ってくれた 沖田 桜(オキタ サクラ) 大学という所に通う22歳の女性 それが彼女が僕に教えてくれたこと そして『六花』 肌も髪の色も白い僕に、彼女がくれた名前 そう 僕は自分の名前も住んでいた場所も知らない 何処にいて、どうしてあの場所にいたのかも 「ごめんなさい、桜さん でも、あまり怒るとシワができますよ?」 ――ゴン ここに来て5日 何が正しくて、何が間違っているのかまだ分からない でも 確かに頭のコブは増えていた
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