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「あるのよ
珍しくない、とは言えないけど稀にそういう能力を扱える人がいるの
私のように『視る』だけじゃなく、精霊を『使う』事ができる強い力を持った人がね」
そこまで話すと雫は立ち上がり、キッチンへと歩き始めた
「あの……何を?」
話しを中断されて落ち着かない
「ん?喋り過ぎて喉が渇いたのよ」
給水タイムのようだ
キッチンへと姿を消した雫を目で追いながら、僕はさっきまでの話しを思い返していた
―精霊―狂う―呪い―両親の死
もし雫の話しが真実だとして、誰が何のために彼女の両親を呪い、そして殺したのだろう?
そして彼女が僕を必要としている理由は何なんだろう?
考えてみたがそれらしい答えも見つからないまま雫が戻ってきた
「お待たせ」
僕の飲もうと思っていたジュースを手に
「うーん、あまり美味しくないわねこのジュース……甘すぎ」
コンチキショー
飲まれたうえに文句まで…
「あのー、話しの続きを…」
残念な気持を胸にしまい、話しを進める事にした
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