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――――――――――
コンコン
「失礼します」
恐る恐る彼女の部屋に入る
雫の予想通りと言えばいいのかベッドの上には見事な盛り上がりが出来ていた
「……桜さん?」
もしかしたら寝ているのかも
呼びかけに答えない布団の塊に一抹の不安
「桜さん?」
今度はベッドの前まで近づいて呼びかける
熟睡の彼女なら布団を被っているのはおかしいし、浅い眠りなら起きてくれるかもしれない
揺すってみようかな?
なかなか反応を示してくれないので、少し力業で攻めようと布団に手を伸ばす
「…遅い」
手が布団に触れるより先に、中から不機嫌そうな声が聞こえてきた
「あ、起きてたんですね?」
顔は見えないけど一応反応してくれた事に安心する
「遅い!」
二度目の返事はご立腹の模様
「あ、すいません
ちょっと雫さんと…」
「雫と何したの!?」
ガバっと布団から顔を出し、赤い目をした彼女が僕の襟首を掴んだ
そうか、泣いてたんだ…
「いや、あの…お話ししただけです」
何の話しと聞かれたらどうしようかな…
口止めされている訳ではないけど言いにくい事ではある
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