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「はい、お茶です」
食後のお茶は日本人の心
ここに連れて来られて彼女に教えてもらった事の一つ
最初は苦くてあまり好きじゃなかったけど、今はちょっと落ち着くこの香りが好き
「うん、ありがと」
彼女は前に置いた湯呑みを両手で持ち、ニッコリと微笑む
食後からお風呂の時間までは、お茶をすすりながらTVを見るゆったりした時間
彼女と二人でのんびり出来るこの時間が僕は好きなんだけど、今日は少し…
「ねぇー六花
今日ちょっと変じゃない?」
顔はTVに向けたまま彼女は言う
「え?何がですか?」
とぼけた訳じゃなくて
何の事を言っているのかが解らなかった
天気?お茶の味?TVの話題?
そんな感じで彼女の言葉を受け取っていたから
―ズズゥ…
彼女はお茶を喉に通すと、座布団に座る僕の真後ろに移動して…
―ヘッドロック
深夜のプロレス番組で彼女がヒートアップしていた技だ
「君の事だよーん、六花くん…
『お出迎え』は無いし私のベッドで寝るし何か落ち着きがないし、私の目は節穴じゃないぞ~」
「うぁあー!」
痛い……のと柔かい
大きな彼女の膨らみと腕に頭を挟まれ、とても微妙な心境だ
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