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僕はなんでこんなにも弱い
何度彼女に涙を流させ
その涙を止める事が出来ないままなんだろう
雫が言うような存在に
僕は本当になれているの?
しばらく彼女の嗚咽だけが部屋に響き、そして何も声に出せない僕に、涙も鼻水もそのままの彼女が消え去りそうな声で呟いた
「りっか…かえちゃうの?」
彼女にしては弱々しく、いつもの彼女は見る影もない
「帰りません」
しっかりした口調で返す
離れちゃいけない
それが何時まで続くか分からないけど…今は
「ばふぇ…たべいく?」
僕の膝に手を置いて、ズボンを握る
「食べ行きます」
ズボンを握る手が上着に伸びてグイっと引っ張る
ああ、伸びちゃう伸びちゃう
「ここに…私(ここ)にいる?」
赤く腫れた大きな目が僕の前で揺れる
「います、ずっと」
この想いの届く限り
「ふぇ…ふぇ……ヒック…」
ポタポタと、彼女の涙は流れ続ける
それが止まるまで、と思ったけど…
「もっと、泣いて下さい」
過去の悲しみがそこにあるなら
彼女の頭を胸に抱えゆっくりと撫でる
いつも彼女がしてくれるように
涙が止まらないなら
今、彼女が持ってる分が枯れるまで待とうと思った
静かに泣く声を聞きながら
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