雪の声

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「先ずは下から…」 電気はつけられない 女性はむやみに肌を露出してはいけないというのが……イスラム教の教えだったっけ? まぁ、いいや とりあえずハッキリと見てしまうのはいけない気がするからだ 僕はパジャマのズボンを持って彼女に近づき、なるべく見ないように… ――ガチン! 「ぐおっ!?」 この体制からまさかのカカト落としだ 若干涙目になりながら、頭上にある足を掴みズボンを… ―ゴツン! 「に゙ゃっ!」 反対の足が顎を捕らえ ―ドンッ!! 足を掴んだ手が緩んだ隙に、両足で蹴り飛ばされた 「ぐぇ!」 ……スタートに戻る くそ、誰のためだと思っているんだ! 痛みで荒い息を吐く僕とは反対に、スヤスヤと穏やかな寝息をたてる彼女に段々と腹が立ってきた 「…それでも 病気にはなって欲しくないな」 やはりこのまま放っておく気にはなれそうにない 格好はともかく、あどけない寝顔がとても愛しく感じる 僕は蹴飛ばされた布団を持ち彼女に掛け、彼女が動き出す前にグルグルっと巻き込んで、《偶然》手にしていたロープで素早く縛る 「うん、なんかスッキリ」 なにやら苦悶の表情を浮かべ唸っている彼女を見て呟いた
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