雪の声

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布団を盾に体を隠す彼女を見てふと思った 「やっぱり裸を見られると恥ずかしいんですか?」 結構、似たような姿で部屋をうろつく彼女を思い出す 下着姿なんてのも珍しくない 「……上はいいけど下は駄目」 どんな基準? 裸を晒すことが恥ずかしいという事は僕にも分かる 事と次第によっては罪として裁かれるケースもあるという事も最近知った そんなテレビや雑誌等から得た情報を総動員して彼女の言葉の意味を探り、導きだされた答え 「そういえば最近下っ腹が…」 「言うなぁぁー!!」 近頃、彼女が熱心に読んでいた雑誌に『ダイエット』というものについて詳しく書かれていたのだ 「別にいいじゃないですか… お腹の1段や2段…」 「なってない!!」 『くびれ再生術』という項目を気にしていたように見えたのは気のせいだったようだ 「お腹はいいの! 別にお腹を見られたって……ちょっとは気にするけど… 見られて恥ずかしいのはもう少し下なの!」 顔を真っ赤にして騒ぐ彼女 そんな熱心に否定するなんて、その『もう少し下』とは一体… 「どこですか?」 その箇所にそれほど興味がある訳ではなく、彼女がちょっとピンチっぽい感じを楽しんでいた
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