心を残した場所

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『ハァハァ…今日は何色のパンツ… ……ん?あれ、誰?』 受話器から聞こえてきたのは男性のものと思われる低い声 そして何だか息が荒い 「あ、僕は六花っていいます えーとパンツは水色です」 質問の意図は解らないけど、失礼のないようにちゃんと答えないと 『りっか……君、かー… あのー、お姉ちゃんいるかな? 可愛い声したコなんだけど…』 ―お姉ちゃん? あ、桜さんのことか! そりゃそうだ だってここは彼女のアパートなんだから 「えーと、すいません 桜さんは今出掛けていて居ないんです… あ、でもパンツは確か黄色だったと思います」 今日は短いスカートを穿いていたので、チラッと見えたのが役に立った せっかく電話してくれたのに、分からずじまいでは可哀想だし… 『えっ!?……き、黄色? ハァ…ハァ……そうか、素敵だ…』 どうやら満足してくれたらしい 僕としても嬉しい限りだ それに彼女を『素敵』だと言っているし、悪い人でもなさそうだ 『ハァ…ねぇ…さ、桜さんは…ハァ …ど、どんな格好で…ハァ…寝てるんだい?」 うーん、この人はそんな事が気になるのか でも僕が知ってる事なら… 「普段はパジャマだけど、この前は裸で…」 『は、ハダカ!?』 驚くよね?寒いのに… 『ム、ム、ムネは…大きいのかな?』 今度は胸か… 他の人の胸を見たことが無いから確証は無いが多分… 「結構、大きい部類だと…」 ―スッパァーーン!! 「ぎょぇっ!」 炸裂音と衝撃が頭上を襲う 「何を大胆に個人情報漏らしてんのよ!!」 い、いつの間にご帰宅を…
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