心を残した場所

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――ぎゅっ♪ いや、そんな可愛い擬音じゃないんだ 再び力の込められた彼女の腕は、拘束具と化し僕の動きを奪う 「えーと…合計して… 49ポイントとなります♪ …って事で」 ――って事で? 苦笑いの僕にニコッと笑顔 「美人コンダクターと行く 『チョコレートぱふぇの旅』 2泊3日の宿泊チケットプレゼント!」 声高らかに彼女が言う ―あ、そうだ 『ぱふぇ、たべいく?』 涙目の彼女を思い出す 別に彼女が食べたい訳じゃなく、僕を喜ばせたいという気持ち 胸の奥が熱くなる どんな時でも何処かで僕に目を向けてくれる… 「――更になんと!」 いつでも彼女は……更に? 「本日はポイント4倍デーとなっておりますので 196ポイントゲット! なんと『ロメロスペシャル』を ……今からします♪」 ―別名『吊り天井』 何だかプロレス技に詳しくなってきたな…僕 ―じゃなくて 追加ポイントで何故… 「―ぃいだだだだだ!」 気付けば既に四肢が悲鳴を上げていた 両足を彼女の両足で絡め取られ、仰向けの状態で両手も掴まれて 足を上げ、腕を引く 「ああ… こんな大技久しぶり♪」 ご満悦な彼女の声 「ァアダダダダダダダ!」 ―悪戯は程々に 『ポイント』の恐ろしさに、僕は心にそう刻んだ
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