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僕の今日の格好は
オレンジ色のダウンジャケットに緑色のズボン
長靴もオレンジ色で、彼女はこれを《ブーツ》だと言っていたが違いが僕には分からない
そして僕の要望で用意してもらった帽子は、先っぽに《ボンボン》の付いた毛糸の帽子で、原色が散りばめられたような模様をしている
僕は髪を隠したかっただけで、こんな派手な帽子が与えられるとは予想外だった
出発前に鏡で見た時に、僕自身「男です」と言い切る自信は無かった
「こう見えても16歳です
今まさに愛と身長を育んでいる最中なので」
シレッと嘘をつく彼女
そんな無茶苦茶な…
僕の身長ならもう少し違う肩書きでも良いだろうに、彼女はあくまでも僕を《彼氏》という
「あ…うん、そうか…
愛も大事だが、今は身長を重点的に育んだ方が良いだろうね…」
戸惑いの目で僕を見ながら、オジサンは変なアドバイスをくれた
現在、気まずさを感じているのは僕とオジサンだろう
嘘を言った本人が一番堂々としているのだから
「じゃあ、まぁ、行こうか
積もる話しは旅館に言ってからにしよう
家内も楽しみにして待っているからね」
オジサンは車に乗るように促す
なんと!車に乗れるのか!
思わずテンションが上がるが彼女の拳を思い出し、大人しく乗り込む事にした
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