心を残した場所

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――胸が痛い 僕はそんな彼女の状態を危惧し、患部は撫でるのが良いと判断 「んあっ!……こらっ…」 彼女はビクンと身体を震わすと、僕の手に添えられた両手に更に力が入る あれ? この反応は如何なものか… 「あ、あの、大丈夫ですか?」 彼女の顔が少し赤く見えるのは気のせいだろうか 「ううぅー…… 六花ってエッチなんだね?」 彼女の熱っぽい視線に僕は慌てて手を離す 「あっ!もう少し…」 「からかいましたね」 何だか遊ばれた気がして彼女を睨む 純粋に彼女を心配した僕の気持ちを『エッチ』とは! でも柔らかくて気持ち良かったのは否めないです 「せっかく旅行に来てケンカは止めようね? 六花に触ってもらったら痛みが無くなるのは本当なんだし」 そう言って今度は抱きついてくる 「はい、…ケンカは嫌です」 痛みの有無は僕には判断出来ないけど、彼女が不安なのは何となく分かった だから僕も彼女の腰に腕を回し、少し力を入れた 僕はここに居ます そう伝えたくて それが彼女の力になればと願いながら 「あ、今…凄い幸せかも…」 彼女の抱きしめ力が一気に強まる ―ギュウッ! 「んんー!!ん、ん、んー!」 二つの膨らみが酸素の供給を遮断した
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