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そして放課後
俺はサイに呼び出された
公園へとやってきた
この日は曇り空で
今にも雪が降りそうな位で
公園内には木枯らしで
落ち葉が舞っている
「…流石に十二月ともなると
寒さが厳しいな…それより、
サイ遅い!何やってんだ全く…。」
俺は着慣れたコートの襟で
首元を詰めながらブランコへと
腰掛けた、寒さから自然と
猫背になってしまう
「ごめん、お待たせ、」
「…遅せーよって。」
「隣、良いかな?やっぱ寒いねー」
サイはいつもの通学用の
白いトレンチコートと
薄紫のマフラーを靡かせ
首を傾げながら
少しはにかんだ顔で俺に尋ねた
「…ああ、」
俺は若干俯き加減で生返事した
こんな天気だからかあまり
饒舌になれない
「ハイ、僕の話に付き合って
貰うんだから御礼くらい
前払いさせてね。」
俺の目の前に缶のココアが
差し出された
俺は差し出されるココアを
受け取った、冷たい手に
暖かさが染み渡る
「ありがと、俺の好きなの
……知ってたんだな」
サイは軽くブランコを漕ぎながら
笑って応える
「まあね……初等部からの
付き合いだしそりゃあわかるって
キリトが苦味嫌いなのは
昔からだろ?」
俺はココアの缶を開ける
甘い香りが鼻孔を擽り
優しい気分になれる
少し啜ると一息ついた
流れる空気はとても
静かなものだった
雪も降って来た冬の放課後
その沈黙を破ったのはサイ自身だった
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