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「突然だけどキリトはさ
僕が何処か違う場所に…
突然消えたらさ、どうする?」
「……は?」
おいおいどうした?
サイってこんなおかしい事
言う奴だったのか?
「自分が変な事言ってる
って事は重々承知だ
只…この世は何が起こるか
分からない…そうだろう?」
サイはそういうと
ポケットから銀色に輝くコインを
親指の上に置きピンと弾いた
「まあ…そうだけどさ、
でもどうしてそんな事を俺に?」
弾いたコインは空中で
自転しながらサイの手の甲へと
落ちてゆく
それを両手で受け止め
サイは俺を今迄にない
眼差しで見つめる
「…僕、実は。」
え、なにこの空気…
もしかしてお前そういう…?
いやいや友達をそんな風に
勘ぐるのは良くないよな!うん!
と、考えてる俺と
俺を見つめるサイの間に
急に吹く突風
冷たい風がサイの言葉を遮る
「…ごめん、やっぱり何でもない、」
「…なんだよそれ。」
「ん…まだ話すには
早かったかなって、」
俺から視線を離し、
サイは空を見上げた
白い息が流れて消える
「ごめんね、時間取らせて…
またそのうち話すからさ。」
「………ああ。」
「じゃあまた明日学校で。」
「…おう、じゃあな。」
…何なんだよ
気になんじゃねぇかばかやろー
いや別にそんな意味じゃねーけど
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