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俺は家に帰るとベッドに寝転んで
暫くさっきのサイの事を考えてた
様子が少し変だった気がする
「サイが消えるって…
よくわかんねーな…
転校でもすんのか?」
あいつ今までそんな奴だったか?
どっかの映画じゃあるまいし
いきなり消えるとか普通
有り得ねーだろ…
ああもう訳わからん!
「………寝よ。」
俺は寝返りを打って
うつ伏せになると
次第に微睡んで行った
「…リト、キリト、」
んあ?俺寝た筈だよな?
そうかこれは夢だな夢だ
俺は目を瞑る
「…もしもし?」
ちょっと寝かしてよ
俺超疲れてんだからあと五分
いや十分だけ……
「………」
微睡んでウトウトしてた俺の頬に
いきなり稲妻のように痛みが走る
俺は痛みで悶絶する
「痛たたたたた!ちょっと!
放せって!真面目に痛いから!」
「キリト起きてくれないから…」
アレ?何だかこの声…
つーか痛いですマジ痛いです
爪結構長いんですね食い込みが
半端ないっす先輩
「そう、私この前もここに来たわ
今日は前より来やすくなったの。」
やっとほっぺたを抓る手が離れ
俺が目を開けると物凄く近くに、
もうほぼ目の前に俺を
覗き込む顔が…
「……おわぁああああ!?!?」
「驚かせてごめんなさい…ただ私今日アナタを初めて見てとても綺麗だなって思って……」
目の前のその声の主は
海のような綺麗な髪の色と
桜色の瞳を持った
まるで一枚の絵のような人だった
「俺もいきなり叫んじゃったり
してごめん…。でも女の子が知らん奴、しかも男に顔近付けたりしたらダメだ!しかも君美人だし…あ、」
その娘は暫く無表情だったが
少し困ったような表情をして
俺から顔を背けた
「…えっと!その、これは!
もしかして美人とか
言われるの嫌いだったら
全力で謝る!ゴメン!!」
テンパる俺はもう自分でも
何を言っているのかさっぱりで
落ち着け俺マジ落ち着け
「だっ!だからさっ!
俺の言った事気にしないで!?
むしろ無かった事に…」
彼女は俺の方へ向き直ると
首を大きく左右に振った。
「…ない。」
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