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一面見渡す限り穏やかな水面
その上に私は降り立ち
辺りを見回す
「此処へ来るのも
久方ぶりですね……。」
私の名前はソイル数千年前から
この世界を受け継ぎ、統べていた
神だ
「私もそろそろ次期候補者を
選ばねばいけませんね……」
私以外の世界の神々も
同様に今回の闘いに
子を投じていると言うのに
私だけ特別扱いと言う訳には
行かないのですから……
そう呟いた私は屈んで
両手を水面に翳し
「我が名はソイル。
世界を統べる者として
次期候補者を創造する。」
手を翳した水面からゆっくりと
大きな水球が現れた
水球はフワフワとその形を
変えながらもなんとか
球の形を保っている
「ふぅ……第一段階は
成功ですかね。……では、」
現れた水球を私は手のひらで
浮かせそれを遥か頭上に放つ
そして指を鳴らすと
水球は9つの宝石となった
「良かった……っケホッ……
では最後の仕上げですね」
この闘いで私は最後に
残る子と戦う……
その覚悟は出来ている
筈なのですがね……
すうっと息を吸い込み
深く深く呼吸した後
腕を勢い良く振り払った
「行け!選ばれし
戦士となる為に……。」
9つの宝石は足下の
水面へ飛び込み
それぞれの世界へとバラバラに
輝きを放ち散らばって行った
「頼みますね……次の世界は、
私のようになって欲しくは
無いですから……。」
私は期待と寂しさの入り混じった何とも付かない感情を
胸にその場を去った
後にはただ、水の波紋が
広がるばかりだった
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