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信長は、平手を供養するために政秀寺を建てた。
そして………
「本当に、あのうつけが家督を……なんという事よ」
眉をひそめたのは、清州城主、織田信友。
彼は他界した信秀に仕える、尾張三奉行の一人だ。
なかなかの重臣であったが、家督が信長に移ったと聞いて、頭を抱えた。
そこで、数人の織田家家臣を集めて、どうにか出来ぬかと話し合っているのである。
「わしも、信長がどれだけうつけかと言うことを知っている。お主らも知っているであろう?」
「ああ。ありゃあ到底任せられんな」
「程、というものがあるからの」
口々に似たような事を言う家臣達。
信友はそれを聞き、にんまりと笑みを浮かべながら髭を撫でる。
「そうであろう?後継者は信行様の方がよろしいと言ったが、殿は受け入れなかった」
「………いっそのこと、殺してしまうのはどうでしょう?」
一人の家臣が口を開いた。
「信長様にはまだ、子が居ません。今殺せば、確実に家督は信行様の手に………」
「そりゃあ良い考えだ!!信長を殺しちまえ!!」
家臣らは、一斉に騒ぎ始めた。
信長を殺せ、信長を殺せと。
それを聞き、満足家にうんうんとうなずく信友。
「では、信長を消そう………我々の、手で…………」
信長暗殺計画が、始まった。
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