405人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
「信友様!」
天井から、忍びがしゃなりと降りてくる。
「…どうした?弥七…」
「斯波義統が、信長殿に密告!!」
弥七という忍びは、なんの躊躇いも無しに言った。
「何……?」
信友は眉を片方吊り上げる。
「…義統め………裏切りおったな………」
信友は全身に怒りを放ち、そして髭を撫でる。
さすがの弥七も、その気迫に後ずさった。
「殺すぞ……義統を………」
「はっ」
弥七はバッと礼をすると、シュンと消えた。
弥七が居なくなったとたん、そのストレスをぶっ飛ばすかのように立ち上がり、まだ火のついていない灯籠を苛立たしげに蹴り飛ばした。
「許さん………許さんぞ……義統………」
信友は、不適な笑みを浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!