車…どうしよう…

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中から顔を出したのは絢菜の予想通り真城だった。 真城「こんな所で何してんの?」 絢菜「ここ登った先に武田の父親が居るのよ。」 絢菜が面倒臭そうに答える。 真城「それで足止め喰らってるって訳か。」 佳乃「ねぇ、須藤君さぁ、武田の父親追い返してきてくんない?」 真城「お…俺がか?」 相手が相手なので、さすがの真城も若干ビビり気味だ。 佳乃は更におだてる。 佳乃「ほら、やっぱ頼るならデカい車に乗った男じゃんよ!」 真城「そ…そんな言うなら仕方ないなぁ。」 絢菜は真城の鼻の下が伸びてるのが見て取れた。 真城「どうせ俺は武田の父親とも面識無いしな。いっちょやってやるか!」 佳乃「キャー 頼もしい!お願いね!」 真城は相変わらずゆっくりコンビニの段差を降りて、その後は爆音と共に坂を駆け上がって行った。 エルグランドが見えなくなった頃、ふと絢菜が見ると、佳乃はこちらを向いてピースをしていた。 絢菜「佳乃、須藤扱うの上手過ぎ…。」 絢菜は佳乃に頼もしさを感じると同時に、改めて客観的に女の恐ろしさも感じた。
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