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せめて鱗が完全に消せれば良かった。
そう何度も思った。
彼と一緒に居れないのなら、鱗が消えても関係ないじゃない。
……その後、いつもそうため息をついた。
体の構造が何もかも違うんだ。
深海の魔女の力で、姿形は人間になれたけれど……私は魚で彼は人。
楽しく遊んでられたら良い子供時代は良かった。
でも今の彼は、あの頃と違って大人の男で。
魚のメスなんかより、同じ人間の女に興味を持つのは当然の事だろう。
……彼と私は、チガウモノなんだ。
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