泡。

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「ネーア、おかえりなさい」 海は暖かかった。 久しぶりに帰ってきた私を、静かに笑って迎えてくれた。 きっと彼は、私が死んだと思ってるだろうな。 人魚姫は悲しくも美しい泡になれたけれど、ただの魚がそんな結末を辿れる筈がない。 二度と帰らないと誓った海にその体を沈め、人になりたかった自分を忘れるしかないのだ。
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