第四章

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大和屋。 その周囲には人だかりが出来ており、凄まじい音が響いている。 音の正体は大砲だった。 芹沢が蔵に大砲をぶちこみ、破壊したのだ。 その様子を、大和屋の店主は見ていることしか出来なかった。 自分の店が破壊されていく様を、茫然と見つめることしか出来なかった。 ヘナヘナと、その場に座り込んでしまった。 「そんな…何故だ……」 呟く店主の後ろに、男が立った。 「おい」 男の声に、店主は震え上がった。 恐る恐る振り向き、小さく悲鳴を上げた。 「せ、芹沢はん…」 芹沢は店主の胸ぐらを掴み、凄んだ声で言った。 「千景という女を出せ」 店主は口を開いたが、すぐに閉じた。 芹沢の威圧感の前では、何も出来ない。 「…出せと言っている」 店主はガクガクと頷き、へっぴり腰で走り出した。
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