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芹沢は茶化すように笑った。
「まんざらでもないくせに」
沖田も笑い、芹沢に道を開けた。
「チィちゃんなら、縁側に居ますよ」
縁側に行くと、沖田の言う通り千歳が縁側に座っていた。
唇を尖らせ、足をブラブラさせている。
「千歳」
千歳の肩が上がった。
「なに?」
そっぽを向いて返す千歳。
「すまなかったな」
「いいもん!!」
千歳は勢い良く立ち上がり、芹沢を見つめた。
まだ、目に涙が溜まっている。
「鴨おじちゃんよりもっといいひと見つけるもん!それでけっこんして、しあわせになるもん!」
千歳は小さく俯いた。
「おじちゃんはお姉さんとなかよしでいればいいんだ…」
芹沢は微笑み、言った。
「じゃあ、俺と約束してくれ。“良い人を見つけて結婚する”と」
「…うん」
芹沢は思わず千歳を抱き締めた。
そのとき。
「芹沢先生」
平山が芹沢を呼んだ。
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